◆施設の概要
 
VSAT IDU
 (屋内装置)
衛星通信研究施設は(株)CSKの協力により昭和60年3月発足しました。大阪電気通信大学は郵政省主宰「衛星通信高度利用パイロット計画」にCSKと共同で参入し、本施設の直径5mφのパラボラアンテナを用いて通信衛星(さくら)を介した様々なデータ伝送実験をCSK東京世田谷局との間で行ってきました。これらの実験は、世界でも当時まだめずらしいKa帯電波(30/20GHz)を積極的に用いたところに大きな特徴があります。
現在本施設では、衛星から常時送られてくるビーコン波(19.45GHz;右施偏波)の連続的な記録を雨量等の気象観測と同時に行っており、周波数の高いKa帯電波では特に大きな問題となる伝搬路での降雨減衰や交差偏波識別度(XPD)劣化の特性を詳しく調べています。これらの測定値は既に10年以上の長期にわたって絶えることなく蓄積され、世界的に見ても貴重なデータベースとなっています。その解析結果の詳細は最近の米国IEEEの学会誌(プロシーディングズ、1997年6月号)のKa帯衛星通信特集号でも大々的に取り上げられています。

さらに、本学は日本サテライトシステムズ(JCSAT)による「ディジタル衛星通信の大学間高度共同利用研究協議会」に加入しており、平成5年1月よりKu帯(14/12GHz)VSAT局(アンテナ径1.8m)を開局しています。
実験設備
現在同協議会の伝搬・伝送研究班幹事校として関西地区のキーステーションの役割を果たすとともに、最近の高度情報化社会の様々なニーズに応じてマルチメディア等のアプリケーションを主体とした衛星通信利用技術の研究を行っています。また、将来測地衛星(GPS)や移動帯衛星通信に関する研究も広く進める予定です。